胎盤―臨床と病理からの視点 epubダウンロード無料

胎盤―臨床と病理からの視点

によって 相馬 広明


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胎盤―臨床と病理からの視点 epubダウンロード無料 - 内容紹介 第1章胎盤とは より 胎盤は妊娠子宮内での胎児の発育に不可欠な器官であり,胎児のための呼吸,栄養代謝,吸収,排泄,内分泌産生や,種々の蛋白合成や酵素産生など多彩な機能を有するだけでなく,胎盤剥離時にも胎盤よりの凝固因子の放出による子宮内での止血にも参画する.しかし約280日という限られた妊娠期間においてのみ発育し,児娩出直後剥離して排出される胎盤の機能程多彩な働きを示す器官は,他臓器にはみられない.地球上に人類が誕生して以来,生殖,妊娠,出産の歴史は連綿として続き,しかも地球上に起きた天災や戦争,疾病の蔓延などで,常に母児ともにその危険に曝され,生命が絶たれているにもかかわらず,現在の地球人口は約80億に達する.人類の出産の歴史の中で,胎盤はどのように取り扱われてきたのか,これもまた興味ある人類史の習俗を知る上での課題である.わが国では,古代における胎盤は,胎児とその霊が一体とみなされ,敬虔な取り扱いを受け,甕に入れられて,土間の入口に埋められた.現在縄文時代における古墳の発掘から,これらの存在を推定させる証拠が見つかってきている.さらに幾万年から数千年に及ぶ歴史の中に,胎盤がその痕跡を止めているはずがないのに,埋め甕の中の土砂から胎盤の存在を見い出そうとする脂肪酸分析が,考古生化学の分野から試みられている.しかしこれがはたして胎盤の自然融解した残土なのかどうかは判定し得ないが,これもまた胎盤の考古学的実証への夢と課題を提供するものであろう.幾千年という歴史を経て,霊的な概念から脱して,胎児と胎盤との結びつきが,科学的に立証されるようになったのは,そう昔のことではない.ヒト胎盤についての詳細な組織解剖学の本「The Human Placenta」がJ.D.Boyd教授(ケンブリッジ大学解剖学)とW.J.Hamilton教授(ロンドン大学解剖学)の共著によって1970年発刊されたときには,これまで未開であった胎盤構造を顕示した名著として注目を惹いた.それより3年早く1967年,Boston Lying-in Hospitalでの観察記録を基にしたKurt Benirschke教授と,Dr.Shirley G.Driscollとの共同になるThe Pathology of the Human Placentaの本が刊行されて,初めてヒト胎盤の周産期病理学の重要性が広汎にわたり詳述された.その後Benirschke教授は,ドイツAachen大学解剖学のPeter Kaufmann教授と共著で1990年第2版を出版し特異的な胎盤の解剖と病理についての知識の展開を広げた.1978年,イギリス,マンチェスター大学病理学のDr.Harold Foxもまた胎盤病理学書を出版した.これらの書物はこれまでよい指導書のなかった胎盤の病理学の分野に裨益することが大きかった.しかし,いずれの本も著者は産科医でなく,病理学者や解剖学者である.一方わが国での産科学や病理学の教科書には,胎盤に関する事項はきわめて少なく,いかにこの臓器への理解が乏しかったかを示している.しかも通常分娩後の胎盤の検査は,ほとんどの施設で,これに従事する人は助産師であり,その記載事項も必ずしも要を得ていない.いわば大学や助産師専門課程での胎盤についての講義も少なく,恰好の指針書もわが国ではほとんどなかったといってよい.著者は産科医の立場から40年以上に及ぶ娩出胎盤の検査を続けているが,この膨大な資料の中から選択して,それぞれの症例を具示して,産科医の立場からみた胎盤病理学書を作成しようと企画した.すなわちこれが周産期の母児関係を知り,原因不明の秘めた病因発掘に役立つことにつながることを期待したい. 出版社からのコメント 恰好の指南書がほとんどない分野で、長らく待たれていた期待の書。 著者について 北海道網走出身。1946年九州大学医学部卒業。現在、東京医科大学名誉教授、埼玉医科大学前客員教授。

胎盤―臨床と病理からの視点の詳細

本のタイトル : 胎盤―臨床と病理からの視点
作者 : 相馬 広明
ISBN-10 : 4884122534
発売日 : 2005/10
カテゴリ : 本
ファイルサイズ : 23.28 (現在のサーバー速度は22.35 Mbpsです
以下は 胎盤―臨床と病理からの視点 の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
内容はそれなり,ただし出版年月がやや古いのでその点はご了承.それから肉眼写真は良いのですが,組織写真がやや青白い状態のものが何枚も掲載されております.

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